クリスマスの歴史とオランダのシンタクラース


スペインから船でオランダに到着した
黒んぼピートをお供に連れた
シンタクラースです



一説によると クリスマスの起源は、

12月下旬に行われていた、

古代ローマのお祭りや、

ユール (北欧語: jul、英語: yule) と呼ばれる

バイキングのお祭りに由来するらしいです。



冬至の時期は、太陽の力が最も弱くなるので、

人々には危険な季節と捉えられていて、

昼の「生者」の世界に、

夜の「死者」が侵入してくると信じられていて

人々が不安を感じる期間でした。


そのお祭りでは、若者や子供を死者に扮しさせます。

大人たちは死者に贈り物を用意して、

死者を演じる子供にプレゼントを差し出して、

死者に死の世界に戻ってもらうというものです。







キリスト教では、

冬至の頃の死者の徘徊する時期に

イエスを誕生させることにより、

希望がもたらされると意味づけるため、

この異教のお祭りを、

イエス生誕祭に組み込みます。

私達はクリスマスイブに

イエスが誕生したというイメージですが

イエスの誕生は12月24日ではなく、

9月だという説もあるようです。






時を経て、死者に扮するのは大人になり、

悪い子をムチで打ち、良い子にはプレゼントをくれる

ムチ打ち爺さん(Père Fouettard)が誕生します。

あたかも日本の”なまはげ”のようなものです。





あまりにも野蛮だということで

子どもたちの守護聖人であるシンタクラースに置き換わり、

聖者のお祭りになり、

サンタクロースに変化していきます。



1930年頃、コカ・コーラがサンタクロースを広告に登場させ、

そのイメージが現在も続いています




1951年12月24日フランスのディジョンでは

サンタクロースがクリスマスを異教化していると有罪判決を受け

火炙りにされるという事件も起きました。




戦後、アメリカの商業主義により、

プレゼントの交換が盛んになり、

今に至っています。


古代から贈り物の交換という文化が

根底に流れているのは

変化が無いようです。






オランダではサンタクロースよりも

もともとのシンタクラース(シント「聖」=ニコーラース Sinterklaas)

の行事のほうが盛んで、

毎年 12月5日 から 6日にかけて

盛大に楽しみます。


日本でクリスマスである 12月24日から25日は、

オランダでは家族を訪問しあったりして

食卓を囲みながら過ごす家が多いです。



最近では、シンタクラースがお供に連れている

黒んぼピート Zwarte Pietが

人種差別だと論議になることが多くなっています

アムステルダムでは、顔を黒く塗るのではなく、

青やその他の色に塗ったピートも

登場しているようです。




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