居住地区の階層、格差


オランダには、日本には無い、

住居地域による階層や格差が存在します。


ここでは、以下のように分類してみます。

  • 庶民
  • 伝統的
  • ボートハウス
  • アパート
  • 新規開拓、都市開発、実験
  • 金持ち
  • 貧民
  • その他


庶民

画像は、オランダ郊外の

一般的な庶民の住宅です。

屋根を共有した複数の住居が

長屋のように連なっています。


デザイン性のないこのような家を、

観光で訪れた人は、

あまり見る機会はないと思いますが、

オランダ人の庶民はこのような家で生活しています。


とはいっても、

部屋の広さは日本より広く、

各部屋に温水暖房も完備されていて、

外見は統一されてても、

中は住人の思い思いに改装されていて、

とても過ごしやすくなっています。



伝統的


観光ガイドに載っているような家です

表がオランダ独特で、

横に連なっていて、各家はとても奥行きが深い形になっています。

アムステルダムでよく目にする家です

家の所有者はとてもお金持ちのはずです。

メンテナンス・コストも馬鹿になりませんが、

資産価値も高く、売る時は大抵買った時より高くなりますので、

投資目的で買う人も多いようです。



賃貸料も高いです。

学生などがこのような家を借りる場合、

ほんのひと部屋、もしくは屋根裏で、

シャワー(通常湯船はありません)も共有でしょう。


ボートハウス

伝統的な家の前の運河に浮かんでいるのが

ボートハウスです。

低地であるオランダには、

無数に運河があるので、

資材運搬用に使用していたような船を改装し、

住居として使用されています。

ボートには固定資産税がかからないので、

通常の家より安く住めるメリットがありましたが、

最近では地域によってはほぼ差がなくなってきたようです。

私の友人もアムステルダムの、ボートハウスで生活していて、

このあいだ日本からのTV取材を受けていました。



アパート


郊外に行くとオランダには団地があります。

オランダではアパートと言います。


日本では”マンション”という言葉を

安易に使いすぎですね。

海外で”自分はマンション住まい”といったら絶対誤解されます。


アパートでは、同じ間取りの住居が各層に積み重なっています。

建物によって階数は異なりますが

やはり日本より天井は高く、

ゆったり作られてはいますが、

資産としては価値はなく、庶民の住まいです。


福祉に手厚いオランダには、

老人ホームも多数あり、

介護作業の面からも、通常の老人ホームは

アパート形式のものが多いです。



新規開拓、都市開発、実験



オランダでは景観を非常に重視するため、

新規に住宅を建設する時、

厳しい基準があり、自治体によるチェックがあります。

そのおかげで新築が難しく、

伝統的な建物が残っているのですが、

一方、もっと斬新な家に住みたい、という欲求を持つ人達もいます。


一部には実験的な都市計画を行う地域があり、

モダンな住居を見ることができます。

地域中、ソーラーパネルが整備された

モダンな街もあります。



金持ち



日本にもお金持ちの住んでいる地域、

というが存在します。

田園調布、広尾、松濤、芦屋、、、

実際の所、オランダにはもっと大きな格差があります。

本当のお金持ちが住むエリアというのがあります。

例えば、デン・ハーグとかアムステルダム郊外とか、、、


そこには、本当に大きなちょっとしたお城

のような家があったりします。

お城までいかなくても、日本のレベルを超えた

素晴らしい庭がついた

広い家がそのような地域には建っています。


貧民


金持ちがいれば、貧乏人もいます。

労働者、社会的弱者、移民です。


日本でも今問題になっていて、

国際問題にもなっている移民。

オランダ人も移民がかなり居ますが、

残念ながら移民はやはり根っからのオランダ人より

不利を被ることがあるため、

どうしても貧しくなります。


移民は自分の文化を守ろうとしますし、

自分たちの社会を作りますので、

移民地域が出来ることになります。



収入も高くないため、どうしても犯罪も増える傾向にあり、

危険地帯になってしまいます。



その他(占拠運動)



通りかかった家に、この記号が書かれていれば、

それは”占拠された家”という意味。

オランダ語で Kraken, 英語で Squatting です。


オランダの住宅の税制により、

一部の金持ちが投資目的で家を買い、

空き家のまま持ち続けるため、

大学生など資金を持たないのに、

大学そばの都市部に住まなければならない人の住居が

慢性的に不足している状況が続いています。


家は空き家なのに、無駄に放置されている家に

勝手に入り込み、生活を始めてしまう運動が起こり、

先進的なオランダの裁判所は、

彼らの運動に一定の許可を出したのです。


18歳になるとオランダでは家を出て

自活するのが一般的で、

賃貸市場が飽和しているオランダでは、

若者には住居を確保するのが

本当に難しいのです。


このサインを街で見たら、

このような現実を思い浮かべてみて下さい。




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